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2019年8月31日

三菱電機WORLD CHALLENGE CUP 2019

日本は宿敵・イランに雪辱を果たすも決勝進出を逃す

ディフェンスの要となったローポインター・川原凜

東京・調布市の武蔵野の森総合スポーツプラザで開催されている、車いすバスケットボール男子日本代表の国際強化試合「三菱電機 WORLD CHALLENGE CUP 2019」。
大会3日目の31日、日本は決勝進出をかけ、昨年の世界選手権4位・イランとの一戦に臨んだ。

試合開始早々、日本はオールコートでプレスディフェンスを敷き、徹底的にイランの攻撃を封じていく。両者一歩も譲らないシーソーゲームで試合が進むなか、日本は2度の24秒バイオレーションをとる好守備をみせ、1Qは15-15と互角の戦いが繰り広げられる。

2Qに入っても、チーム全員が「自分たちのバスケを40分間やり続ける」という高い意識を持って、それぞれの仕事を遂行していく。ベンチからは「削る!削る!」という声がコートに送り込まれる。辛抱強く攻め続け、相手が嫌がるような堅い守りを徹底することで、相手の体力とメンタルを「削る」ことを狙っていた。日本の粘り強いディフェンスに対して、徐々に苛立ちを見せ始めるイラン。
プライドのぶつかり合いとなった前半を終え32-31と、日本のわずかなリードで折り返した。

後半に入っても、シーソーゲームが続いていく。体力、メンタルともに限界に近づいているはずだが、一切それを感じさせない運動量でプレーし続ける日本。気迫に満ちたパフォーマンスに会場からは惜しみない拍手が送られた。

47-45の日本リードで迎えた最終Q、ついにイランの集中力が切れ始める。その一瞬の隙を見逃さなかった日本は、古澤拓也、藤本怜央がスティールを次々と奪ってチャンスを引き寄せ、一気に引き離しにかかる。イランも必死にくらいつくが、最後までやり続けた日本が63-57で勝利をおさめ、昨年10月のアジアパラ競技大会・決勝で逆転負けを喫したイランに雪辱を果たした。

この日、特にディフェンスで勝利に大きく貢献したのが、チーム唯一のフル出場を果たした川原凜。
強靭なフィジカルを持つイランのハイポインターを果敢に抑え、素早い反射神経で誰よりも速くボールに追いつき、スティールを奪う献身的なプレーでチームを支え続けた。
及川晋平ヘッドコーチは、「よく頑張ってくれた。スーパースターです」と川原を称えた。

しかし、試合終了後、日本選手たちに笑顔は見られなかった。
翌日の決勝に進むには、ここまで2勝を挙げているイランに15点差以上をつけて勝つことが条件だったことから、日本は決勝進出を逃す結果となったのだった。

コートでチームを鼓舞し続けた香西宏昭は「11月のアジアオセアニアチャンピオンシップに向けて、この大会で優勝するということが目標だったのでそれが叶わなくて悔しい」と、硬い表情で語った。

大会最終日の9月1日、日本は韓国との3位決定戦に臨む。

(文・張 理恵、撮影・峯 瑞恵)
 

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