Glitters 障害者スポーツ専門ニュースメディア
2026年10月20日

愛知・名古屋2026アジアパラ競技大会

パラ水泳、2日目も日本勢が躍動! 金4個を含む16個のメダル獲得!

1位から3位まで0.5秒差のエントリーから、男子100m平泳ぎで金メダルをつかんだ齋藤元希 | パラ水泳、2日目も日本勢が躍動! 金4個を含む16個のメダル獲得!|愛知・名古屋2026アジアパラ競技大会 | Glitters 障害者スポーツ専門ニュースメディア

1位から3位まで0.5秒差のエントリーから、男子100m平泳ぎで金メダルをつかんだ齋藤元希


19日から名古屋市総合体育館(レインボーホール)で競技がスタートしたパラ水泳は、2日目の20日も金4個、銀7個、銅3個を獲得と、前日に続いて日本勢のメダルラッシュにわいた。

齋藤元希、南井瑛翔が1日2個獲得のメダルラッシュ!

1日に2つのメダルを獲得するという快挙を成し遂げたのが、ともに東京、パリと2大会連続でパラリンピック出場経験を持つ齋藤元希と南井瑛翔だ。齋藤は、最初の男子100m背泳ぎ(視覚障害S12)では優勝したインドネシアの選手に最後まで食らいついたが、0.69秒差で銀メダル。金メダルを狙っていた種目のうちの一つだったが、自身が持っていたアジア記録を塗り替えられる結果に、「すごく悔しい」と吐露した。

翻って男子100m平泳ぎでは、午前に行われた予選では全体の6位で通過した齋藤は、決勝ではファイナリスト8人のなかで最速のリアクションタイムで最高のスタートを切ると、トップの座をキープしたままゴール。「一番苦手な種目」で個人種目としては初の金メダル獲得に「予想できていなかった分、今後の練習の励みになる」と語った。

一方、南井は男子200m個人メドレー(SM10)では100mのターンではカザフスタンの選手がわずか0.01秒差に迫っていたが、「彼は(2種目目の)背泳ぎが得意で前回大会では自分よりも先に(100mの)ターンをしていた」と言い、焦りはなかったという。3種目目の平泳ぎでもほとんど差は開かず、150mのターンでは0.61秒差だったが、「自分の持ち味である後半に自信があったので、最後のタッチまで落ち着いて泳ぎ切れた」という南井は、最後の自由形で大きく離し、3秒以上の差をつけてゴール。自身が持つ大会記録を更新しての金メダルを獲得した。「100mのラップはベストに近く、課題としていた背泳ぎのラップタイムも速くなっているので、練習でやってきたことを出せたレースだったと思う」と手応えを口にした。

続いて臨んだ男子100m背泳ぎ(S10)では、同種目を得意とするカザフスタンの選手には及ばなかったものの、前半は大接戦を演じた井戸夢翔を後半で突き放し、2位をキープしてゴール。今大会2つ目のメダル(銀)を獲得した。

150mのターンまで0.61秒差。食らいつく相手にも慌てず、得意の後半で突き放した南井瑛翔 | パラ水泳、2日目も日本勢が躍動! 金4個を含む16個のメダル獲得!|愛知・名古屋2026アジアパラ競技大会 | Glitters 障害者スポーツ専門ニュースメディア

150mのターンまで0.61秒差。食らいつく相手にも慌てず、得意の後半で突き放した南井瑛翔

39歳のレジェンド鈴木孝幸、0.41秒差の激闘を制し2冠!

前日の男子50m自由形に続く2冠を達成したのは、パラリンピックに6大会連続出場し、3個の金メダルを含む15個のメダル獲得という実績を持つ39歳のレジェンド、鈴木孝幸だ。レース展開は2位以下に大差をつけて圧巻の勝利をおさめた前日とは一転、この日臨んだ男子50m平泳ぎ(SB3)では、韓国の選手とのデッドヒートが繰り広げられた。ただ、この展開は想定済みで「競ることはわかっていたが、あまり相手を意識しすぎると自分が崩れるので、自分の泳ぎに集中した」と鈴木。そのため隣のコースはまったく見ていなかったと言い、相手がどこまで迫ってきているかはまったくわからなかったという。それほどまで徹底して「自分の泳ぎにフォーカスしていた」と言い、「テンポを上げることを意識しすぎると力みが強く出ると思っていたので、前半はあまり力まないようにということを意識して泳いでいた」。その結果、わずか0.41秒というタッチの差で鈴木が勝利し、今大会2個目となる金メダルに輝いた。

開幕直前に帯状疱疹を発症し、本格的に泳ぎを再開したのはレース初日だったという鈴木。「体の動き自体は今日の方がいい感覚はあったが、ずっと泳げていなかったので、後半のスタミナという部分については少しきつさを感じた」という。それでも「どこまでタイムを出せているかわからなかったが、50秒は切れているし、金メダルも取れたのでうれしい」と喜びを口にした。競技最終日の23日には男子100m自由形(S4)に出場する鈴木は、3冠達成で今大会の有終の美を飾るつもりだ。

隣のレーンには一度も目を向けず、0.41秒差の競り合いを制して2冠を達成した鈴木孝幸 | パラ水泳、2日目も日本勢が躍動! 金4個を含む16個のメダル獲得!|愛知・名古屋2026アジアパラ競技大会 | Glitters 障害者スポーツ専門ニュースメディア

隣のレーンには一度も目を向けず、0.41秒差の競り合いを制して2冠を達成した鈴木孝幸

同じく2冠を達成したのは、パリパラリンピック銀メダリストの木下あいらだ。前日には女子200m自由形(S14)で一つ目の金メダルを獲得した木下は、この日は女子100m背泳ぎ(S14)に出場。午前に行われた予選ではトップ通過した佐藤璃來に約2秒差で2位通過となった。決勝のレースも「(佐藤と)きわどい戦いになることはわかっていた」と予想していた通り、前半の50mから木下がリードするも0.08秒差と佐藤と激しく競り合った。それでも「前半で力みすぎると後半で失速してしまうので、誰が来ても焦らないイメージで泳いで、後半は全力で泳いだ」という木下。最後は1秒以上の差で佐藤をかわし、優勝に輝いた。タイム的にも「今年のジャパンパラで出したベストを少しだけ更新することができたので良かった」と納得の表情を浮かべた。

富田宇宙、地元熊本県への思いを胸につかんだ銀メダル

この日が自身にとって競技初日となった富田宇宙は、男子400m自由形(S11)に出場。最初の100mを中国の選手とトップ争いを繰り広げたが、100mのターン後に徐々に差が広がり、最後は約13秒差にまで広がった。タイム的にも「自分の目指していたタイムで泳ぐことはできなかった」と富田。それでも「最低限、銀メダルを取るという目標はクリアできた」とし、「たくさんの方に自分が泳ぐところを見ていただき、表彰式では一緒に喜んでいただいた。大変幸せな時間をいただけたとかみしめている」と語った。

出身地である熊本県に対して「いまだに困難な状況が続いているので、そうしたなかでも少しでもいいニュースを届けたいという気持ちでスタート台に立った」という富田。「銀メダルという結果ではあるが、自分が頑張っている姿を通して何かを感じていただける一瞬を生み出すことができたのであればうれしい」と述べた。

また、アジアパラ競技大会が初めて自国開催となった意義について、富田はこう言及した。

「東京パラリンピックが無観客で終わったこともあって、これだけ多くの方がパラスポーツを見て何かを感じてくださる機会というのは非常に貴重だと思っています。子どもたちを招待して見ていただいたりと、ふだんはパラスポーツに触れることのない方々がたくさん見てくださり、いろいろな気づきだったり、一歩を踏み出す勇気が出たりと、そういうことにつながる大会になればとても価値あるものになると思うので、私もその一助になれるようにと精一杯泳ぎました」

故郷・熊本へ「少しでもいいニュースを」との思いを胸に、男子400m自由形で銀メダルを手にした富田宇宙 | パラ水泳、2日目も日本勢が躍動! 金4個を含む16個のメダル獲得!|愛知・名古屋2026アジアパラ競技大会 | Glitters 障害者スポーツ専門ニュースメディア

故郷・熊本へ「少しでもいいニュースを」との思いを胸に、男子400m自由形で銀メダルを手にした富田宇宙

今大会、パラ水泳のキャプテンを務める荻原虎太郎は男子200m個人メドレー(SM8)に出場し、「少し悔しいところがあったので、後半の泳ぎについて来シーズン改善して次はしっかりと勝ち切りたい」としながらも、前日の男子400m自由形(S8)に続く2つ目の銅メダルを獲得。22日に行われる本命の背泳ぎでは「前半は体力を残しつつ31秒で入ることがポイント」とし、1分4秒台を狙う。

そのほか、松永琴寧が女子100m背泳ぎ(S10)と女子200m個人メドレー(SM10)で2つの銀メダル、前日に本命の女子100m自由形(S13)で金メダルに輝いた辻内彩野も女子100m平泳ぎ(SB13)で2つ目のメダル(銀)を獲得した。また、男子100m背泳ぎ(S10)で井戸、男子50mバタフライ(S5)で田中映伍が銅メダルを手にした。

パラ水泳は、2日間で合計23個(金7、銀8、銅8)のメダル獲得となった。競技最終日の23日まで、さらなるメダル量産に期待が寄せられる。

(文・斎藤寿子/撮影・中島功仁郎)

【パラ卓球】
カテゴリーは「車いす」「立位」[峯1.1]「知的障がい」があり、「個人戦」(シングルス)と「団体戦」(ダブルス1試合、シングルス2試合)があり、試合は1ゲーム11点先取で、3ゲームを先に取った方が勝ちとなる。いずれも男女別に行われるが、「車いす」と「立位」は、障がいの種類や程度によってさらにクラス分けされ、順位を争う。
卓球台のサイズやネットの高さ、ボールやラケットなどの用具は、一般の卓球と同じ。ルールもほとんど変わらない。ただし、車いす選手のサービスは、相手コートで一度バウンドし、エンドラインを越えない場合は「レット(ノーカウント)」となり、やり直しとなる。また、車いすのダブルスでは、センターラインを超えて移動することはできないため、レシーバーがサービスをリターンした後は、どちらの選手が打ってもOK。
 障がいの種類や程度によって、プレースタイルはさまざま。たとえば車いすの選手は、左右に素早く動くことが難しいため、卓球台の近くでプレーすることが多い。そのため、近距離でのスピーディなラリーが展開される。また、世界には足でトスを上げ、ラケットを口でくわえて打つ、両腕欠損の選手もいる。
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