Glitters 障害者スポーツ専門ニュースメディア
2026年10月17日

愛知・名古屋2026アジアパラ競技大会

車いすバスケ女子日本代表、“中国の壁"を崩せず黒星

中国の長い手が伸びる中、ゴール下からパスを出す清水千浪 | 車いすバスケ女子日本代表、“中国の壁”を崩せず黒星|愛知・名古屋2026アジアパラ競技大会 | Glitters 障害者スポーツ専門ニュースメディア

中国の長い手が伸びる中、ゴール下からパスを出す清水千浪

16日に競技がスタートした車いすバスケットボールは、17日、女子日本代表が中国との予選第2戦に臨んだ。高いシュート力を誇る相手に2Q以降は善戦するも、4-19と出鼻をくじかれた1Qでの差が最後まで大きく響き、31-48で敗れた。

明暗を分けた1Qでの“決定力の差"

U25の若手をメンバーに入れるなどして世代交代を進める中国は、1カ月前の世界選手権では、準優勝した前回大会から順位を下げ、5位となった。それでもアジアオセアニアでは随一の強さを持つことは変わらず、その中国に日本がどう対抗するかが問われたこの試合、添田智恵ヘッドコーチ(HC)は「ゲームプランは明確だった」と語る。最大のポイントとしていたのは、ディフェンスだった。

「何人かは若手に入れ替わっているとはいえ、それでもシュートの確率が非常に高いチームではあるので、どのエリアや選手を優先して守るかということを明確にして臨みました」

なかでも警戒していたのは、ハイポインターのジャン・シュエメイ(4.0)と、ミドルポインターのリン・スーリン(3.0)の2人。いずれも高さがあり、日本選手の頭の上からシュートを打ってくる。そのため、いかに彼女らをゴールから遠ざけるかがカギを握っていた。

しかし、試合開始早々にジャンがコーナーからのミドルシュートを鮮やかに決めたのを皮切りに高確率で得点を重ねていく中国の勢いを、日本はなかなか止めることができなかった。一方、日本のオフェンスはことごとくシュートがリングに嫌われ、1Qは4-19と大きなビハインドを負った。

シュートのアテンプトは中国が13に対し、日本は14だったことからも、タフショットのケースが少なくなかったとはいえチャンスを作れなかったわけではなかった。ただ、両チームの間に大きな差が生まれていたのはフィニッシュする力。1Qのフィールドゴール(FG)成功率は、中国が69%だったのに対し、日本は14%。最大の得点源である北田千尋(4.5)が厳しくマークされ、わずか2得点にとどまったことも日本を苦しめた。
中国の守備に厳しくマークされながらも、ゴールを狙う北田千尋 | 車いすバスケ女子日本代表、“中国の壁”を崩せず黒星|愛知・名古屋2026アジアパラ競技大会 | Glitters 障害者スポーツ専門ニュースメディア

中国の守備に厳しくマークされながらも、ゴールを狙う北田千尋

ただ、そのまま中国を勢いに乗せたわけではなかった。2Q、日本がさまざまなラインナップを投入したことで、中国はアジャストに苦労したのだろう。中国のFG成功率は27%にまで低迷し、8得点にとどまった。しかし、日本の得点も伸び悩み、2Qを終えて11-27。中国との差を埋められないまま、試合を折り返した。

好プレーの連続にスタンドから沸き起こった大歓声と拍手

すると後半、日本に好プレーが続いた。3Qでは、財満いずみ(1.0)が中国からターンオーバーを奪う好守備を見せると、前半からチームトップの得点を挙げていた清水千浪(3.0)が、この試合チーム初の連続得点。さらに3Q終了間際には財満にも得点が生まれ、大勢の観客が詰めかけたスタンドからは大きな拍手が起こった。
中国のディフェンスをかわし、ドリブルで攻め込む小島瑠莉 | 車いすバスケ女子日本代表、“中国の壁”を崩せず黒星|愛知・名古屋2026アジアパラ競技大会 | Glitters 障害者スポーツ専門ニュースメディア

中国のディフェンスをかわし、ドリブルで攻め込む小島瑠莉

そして4Qには、チーム最年少18歳の小島瑠莉(2.5)が相手の隙をついてノーマークでのドリブルシュートを決めると、そのすぐあとには網本麻里(4.5)が遠い距離から相手ディフェンスの頭上を越すフックシュートを炸裂。立て続けの好プレーに会場からは拍手とともに感嘆の声がもれた。

4QはわずかながらFG成功率、得点ともに中国を上回り、一矢報いた日本。しかし追い上げには至らず、2013年以来、12年ぶりに中国から勝利を飾った昨年のアジアオセアニアチャンピオンシップスの再来とはならなかった。
笑顔で声をかけ合い、気持ちをひとつにする女子日本代表 | 車いすバスケ女子日本代表、“中国の壁”を崩せず黒星|愛知・名古屋2026アジアパラ競技大会 | Glitters 障害者スポーツ専門ニュースメディア

笑顔で声をかけ合い、気持ちをひとつにする女子日本代表

【車いすバスケットボール】
 一般のバスケットボールとほぼ同じルールで行われる。ただし「ダブルドリブル」はなく、2プッシュ(車いすを漕ぐこと)につき1回ドリブルをすればOK。
選手には障がいの程度に応じて持ち点があり、障がいが重い方から1.0~4.5までの8クラスに分けられている。コート上の5人の持ち点の合計は14点以内に編成しなければならない。主に1.0、1.5、2.0の選手を「ローポインター」、2.5、3.0、3.5を「ミドルポインター」、4.0、4.5を「ハイポインター」と呼ぶ。
コートの広さやゴールの高さ、3Pやフリースローの距離は一般のバスケと同じ。障がいが軽いハイポインターでも車いすのシートから臀部を離すことは許されず、座ったままの状態で一般のバスケと同じ高さ・距離でシュートを決めるのは至難の業だ。また、車いすを漕ぎながら、ドリブルをすることも容易ではなく、選手たちは日々のトレーニングによって高度な技術を習得している。
ジャンプはないが、ハイポインターが車いすの片輪を上げて高さを出す「ティルティング」という技がある。ゴール下の激しい攻防戦の中、ティルティングでシュートをねじ込むシーンは車いすバスケならではの見どころの一つだ。
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