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2019年9月3日

日本生命 WOMEN’S CHALLENGE MATCH 2019

日本がオーストラリアに勝ち越し!全員でつかんだ東京への自信

チーム一丸となって戦い抜いた女子日本代表

8月29日~9月1日、車いすバスケットボール女子日本代表の国際強化試合「日本生命 WOMEN'S CHALLENGE MATCH 2019」が、東京都調布市の武蔵野の森総合スポーツプラザで開催され、日本代表は、アジア・オセアニア地区のライバル・オーストラリア代表との3試合に臨んだ。

大会初日・8月29日に行われた第1戦。
オーストラリアが、絶対的エース、アンバー・メリット(4.5)を中心に得点を重ねていくなか、日本は序盤にタイミングを乱され、追いかける展開に。強化してきた「走るバスケ」で流れを引き寄せると、33-24の9点リードで折り返す。
後半、アンバーケアに気をとられ、思うようなディフェンスができず、一気に引き離されてしまう。結局、最後までリズムを取り戻すことができず、56-67で黒星スタートとなった。
前日の練習試合では日本が快勝しただけに、そのイメージをひきずっていた可能性も否定できない。キャプテンの藤井郁美は「継続する力や相手に対しての対応力・応用力」を課題として挙げた。

敗戦の夜、普段行う選手ミーティングを行わず、一人一人の時間を設けて頭をクリアにしたという日本代表。オーストラリアに対してどういうディフェンスを敷いていくのか、チーム内で活発な意見交換を行い試合に臨んだ。

そうして迎えた8月30日の第2戦。
各選手がチームの戦略プランを理解し集中力を高め、それぞれが自分の役割をしっかり遂行する。相手のハイポインターを押さえ、しぶとくボールプレッシャーを与えながら、チャンスが来れば全力で走った。前日とはまるで違うチームのような修正力と対応力が光り、56-38で勝利した。

勝利の逆転シュートを放つキャプテン藤井郁美

 
9月1日、最終戦に臨んだ日本。
1Q、相手が高確率で次々とシュートを決める一方で、日本はことごとくリングに嫌われ大きく点差が開く。スピードを生かした攻撃で徐々にリズムに乗ると、その点差が縮まっていく。後半開始早々に逆転するも、4Qで再びリードを奪われると、シーソーゲームに突入。返しては返される激しい攻防に、会場を埋め尽くした6,554人の大観衆の盛り上がりも最高潮に達する。
全視線がコートに注がれるなか、藤井郁美が2本のフリースローをきっちり決め57-56。今度はオーストラリアのアナベルが得点し57-58。
試合残り時間4.0秒。萩野真世が、ラスト1チャンスを託したのは藤井郁美だった。
藤井は思い切り腕を伸ばし、渾身のシュートを放った。ボールはきれいな弧を描いてネットを揺らし、そこで試合終了のブザー。緊迫した試合を59-58で見事に勝ち切り、有終の美を飾った。

「今まで最後の試合を負けて終わることが続いていたので、ここで勝てたことは自信につながりました」

キャプテン自らたぐり寄せた勝利は、“自信"だけでなく、チームに多くのものをもたらした。
勝利の瞬間、ベンチメンバーがコートに駆け寄り、涙と笑顔が入り混じった顔で仲間を称え合った。
コートでもベンチでも、メンバー12人全員が同じ気持ちで、チーム一丸となって戦ったからこその光景だった。

このあと11月末から開催される「アジアオセアニアチャンピオンシップ」に出場する日本。
再び、オーストラリア、そして、昨年10月のアジアパラ競技大会決勝で大敗を喫した、世界選手権4位・中国が待ち構える。
すでに強化合宿では、中国を倒す準備が始まっている。
藤井は、「中国とオーストラリアに勝たなければ、東京パラリンピックでのメダルはないと思っている。中国とオーストラリアに勝って、アジアオセアニアチャンピオンシップで優勝するというのがチームの目標」と、来たるべき戦いに向けての覚悟を語った。

勝つ喜びと勝ち切れた経験が大きな自信へと変わり、また一段高いステップへと進んだ、車いすバスケットボール女子日本代表。
目指すは、東京パラリンピックでのメダル獲得だ。

【大会結果】
女子日本代表 2勝1敗
MVP:萩野真世(日本)
MIP:アンバー・メリット(オーストラリア)
Play,Support.賞:岩佐義明HC(日本)

(文・張 理恵、撮影・峯 瑞恵)

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