東京2020パラリンピック競技大会 8/27【大会4日目】

陸上 佐藤友祈が金メダル獲得！唐澤、和田は銀・銅フィニッシュ

　
8月27日、東京パラリンピック・大会4日目は陸上競技がスタート。
男子5000mで視覚障がいT11のクラスで唐澤剣也が銀メダル、和田伸也が銅メダルを獲得し日本勢に勢いをもたらすと、男子400mでは車いすT52の佐藤友祈がリオパラリンピックの雪辱を果たす金メダルを獲得した。
佐藤は、スタートでリードを許し前半はライバルのマーティンを追いかける展開になるも、残り50mで逆転しゴール。レース後には小さく右手の拳を握りしめ、会場からの温かい拍手に応えた。レース後には「1500mの世界記録更新、そして金メダル獲得を考えて走りたいと思う」とさらなるメダル獲得を誓った。 佐藤と共に走った上与那原寛和も銅メダルを獲得し、合計で4つのメダルを獲得した。

　
ゴールボールでは、初戦を勝利で飾り勢いに乗る男子が、リオ大会銀メダルのアメリカに11-1のコールド勝ちし2連勝。6得点を挙げた佐野優人は「今まで練習で積み上げてきたものがこの本番で出せているのでこの結果に納得している」と喜びを語り、守備については「アメリカの速いボール、高いバウンドに対して1失点に抑えたのはすごく自信になる」と手応えを口にした。一方、世界ランキング5位の女子は同3位のブラジルと対戦し、4-4のドローに終わった。

卓球は、伊藤槙紀が予選リーグ・グループ2位で準決勝進出を決め、3位決定戦は行われないため銅メダル以上を確定させた。古川佳奈美は予選リーグ最終戦に勝利したが、グループ3位となり予選敗退、友野有理は準々決勝で敗れ準決勝進出とはならなかった。

水泳は、パラリンピック初出場・16歳の日向楓が男子50mバタフライで7位入賞。「予選よりもタイムを上げて順位も1つ上がったので嬉しい。3年後のパリ大会に向けて世界の速い選手たちと泳いだことがいい経験になった」と今後の活躍を誓った。女子では水泳日本代表・副主将の辻内彩野が400m自由形で8位に入り、男子100m背泳ぎでは窪田幸太が日本記録を更新し5位入賞を果たした。

自転車(トラック)では、女子C1-3 500mタイムトライアルで杉浦佳子がパラリンピック記録を更新するも4位、藤井美穂も自己ベストを更新したが7位に終わった。男子C1-3 1000mタイムトライアルは、川本翔大が6位、北京・ロンドン・リオと3大会連続でメダルを獲得した藤田征樹は15位だった。

柔道は競技初日、女子48kg級、女子52kg級、男子60kg級、男子66kg級の4階級が行われ、熾烈な代表争いを勝ち取りパラリンピック初出場となった男子66kg級の瀬戸勇次郎が銅メダルを獲得。瀬戸は準々決勝で敗れるも敗者復活戦を勝ち上がり、3位決定戦でジョージアの選手を下してのメダル獲得となった。「次はパリで金メダルを獲れるようにしたい」と、さらなる成長を期待させた。女子48kg級の半谷静香、女子52kg級の藤原由衣は3位決定戦に進むが、惜しくも敗れメダル獲得とはならなかった。

アーチェリーでも競技がスタート、72射の合計点で決勝トーナメントの組み合わせを決めるランキングラウンドが行われた。リオ大会7位の上山友裕はパラリンピック独特の会場の雰囲気にのまれ前半こそ19位で折り返すが、後半に立て直し609点11位。岡崎愛子、大山晃司のペアで臨む混合団体W1(四肢)は1200点で4位となった。

ボートは女子シングルスカルに市川友美が登場し5位、混合舵手つきフォアは6位に終わり、ともに28日の敗者復活戦に挑む。レース後、混合舵手つきフォアに出場した有安諒平は「ようやく出場に繋がって皆さんに応援してもらえる環境になったことに感極まっている。東京で皆さんの心に残るようなレースをして、3年後のパリ、その次のロサンジェルスに繋げて行きたい」と思いを語った。

馬術には個人-グレードⅢに稲葉将がEXCLUSIVE号と出場し67.529％で15位。上位8名が出場するフリースタイルへの出場とはならなかった。

車いすテニスでは男子シングルス、女子ダブルスの1回戦、クアードダブルスの準々決勝が行われ、男子シングルスの眞田卓はオランダのアンカー・カルロスと、荒井大輔はイスラエルのガイ・サッソンと、 三木拓也はスペインのエンリケ・シスカル メセゲルと対戦し、いずれも2-0のストレート勝ち、クアードダブルスの諸石光照・菅野浩二組はイスラエルのヨシ・サアドン、シュラガ・バインバーグ組と対戦し、2-0のストレート勝ちで準決勝に駒を進めた。

パワーリフティングは男子と女子の各2階級が行われ、男子59kg級に出場した光瀬智洋は145kgの記録で10位に終わった。

シッティングバレーボールは男子・女子ともに初戦を迎え、世界ランキング11位の女子は、同10位のイタリアと対戦し0-3で、世界ランキング12位の男子は、RPC(ロシア・パラリンピック委員会)と対戦し0-3で敗れた。

車いすバスケットボールは、初戦を白星で飾った男子が第2戦目に臨み、59-52で韓国を下した。最年長の藤本怜央はチーム最多の21得点をマークし好調ぶりをアピールした。一方、ここまで2連勝の女子はアメリカ大陸王者のカナダと対戦し、35-61で敗れ初の黒星となった。

車いすラグビーは、予選ラウンド最終戦が行われ、世界ランキング3位の日本は同1位のオーストラリアと対戦し57-53で勝利、予選全勝でグループAを1位通過した。8月28日にイギリスとの準決勝に臨む。

■日本人結果一覧

【陸上】
女子走り幅跳び T11(視覚)
第5位　高田千明　4m74

男子5000m T11(視覚)
第2位　唐澤剣也　15分18秒12
第3位　和田伸也　15分21秒03

男子100m T47(切断・運動機能) 決勝
第5位　石田駆　11秒05

男子400m T52(車いす)
第1位　佐藤友祈　55秒39
第3位　上与那原寛和　59秒95

男子5000m T54(車いす)
第5位　樋口政幸　10分11秒49
第13位　久保恒造　10分21秒34

女子400m T47(切断・運動機能)
第6位　辻沙絵　59秒98


【ゴールボール】
女子　予選リーグ　グループD
△日本　4 – 4　ブラジル△

男子　予選リーグ　グループA
○日本　11 – 1　アメリカ●


【卓球】
女子シングルス　クラス8(立位)　予選リーグ　グループA
○友野友理　3 - 2 　J.ボルフ●

男子シングルス　クラス7(立位)　予選リーグ　グループC
○八木克勝　3 - 0　L.トルトニク●

男子シングルス　クラス7(立位)　予選リーグ　グループE
●井上全悠　0 - 3　S.ユーセフ○

男子シングルス　クラス11(知的)　予選リーグ　グループA
●加藤耕也　1 - 3　キム・チャンギ◯

男子シングルス　クラス11(知的)　予選リーグ　グループC
●浅野俊　1 - 3　キム・ギテ○

男子シングルス　クラス11(知的)　予選リーグ　グループB
○竹守彪　3 - 0　D.マルティネス バレト●

女子シングルス　クラス11(知的)　予選リーグ　グループB
○古川佳奈美　3 - 1 王 婷莛●

女子シングルス　クラス11(知的)　予選リーグ　グループA
●伊藤槙紀　0 - 3　エレナ・プロコフェワ○

女子シングルス　クラス10(立位)　予選リーグ　グループA
●竹内望　0 - 3　メルべ　ジャンス・デミール○

女子シングルス　クラス8(立位)　準々決勝
●友野有理　0 – 3　黄 文娟○

男子シングルス　クラス7(立位)　1回戦
●八木克勝　1 – 3　サイード ムハマド・ユーセフ○

男子シングルス　クラス11(知的)　準々決勝
●浅野俊　2 - 3　ペーテル・パーロシュ○

男子シングルス　クラス11(知的)　準々決勝
●竹守彪　0 - 3　リュカ・クレアンジュ○


【水泳】
男子100m背泳ぎ S8(運動機能)
第5位　窪田幸太　予選：1分09秒88　決勝：1分09秒09

男子200m自由形　S14(知的)
予選敗退　宮崎哲　予選：2分02秒93
予選敗退　中島啓智　予選：2分04秒00

女子50m 自由形　S11(視覚)
第8位　石浦智美　予選：31秒08　決勝：31秒78
予選敗退　小野智華子　予選：35秒91

男子50mバタフライ　S5(運動機能)
第7位　日向楓　予選：37秒80　決勝：37秒24

男子400m自由形　S13(視覚)
予選敗退　齋藤元希　予選：4分29秒03

女子400m自由形　S13(視覚)
第8位　辻内彩野　予選：4分49秒96　決勝：4分50秒01


【自転車(トラック)】
女子500mタイムトライアル　C1-3(運動機能)
第4位　杉浦佳子　39秒869
第7位　藤井美穂　41秒706

男子1000mタイムトライアル　C1-3(運動機能)
第6位　 川本翔大　1分8秒531
第15位　藤田征樹　1分12秒306


【柔道】
男子60kg級　1回戦
1回戦　○平井 孝明　10 - 1　マルケス・チエゴ● (一本)
準々決勝　●平井孝明　0 – 10　A．ボロガ○ (一本)
敗者復活戦　●平井孝明　0S1 - 10S1　チフチ・レジェプ○ (一本)

男子66kg級
1回戦　○瀬戸 勇次郎　11S1 – 0　エドゥアルド・ガウト ガジェーゴス● (一本)
準々決勝　●瀬戸勇次郎　0 – 10　U.クランバエフ○ (一本)
敗者復活戦　○瀬戸勇次郎　10S1 – 1S2　M. アージム● (一本)
3位決定戦　○瀬戸勇次郎　11 – 1　ギオルギ・ガムジャシュビリ● (一本)

女子48kg級
準々決勝　●半谷 静香　0 - 10 　S. ハジエワ○ (一本)
敗者復活戦　○半谷静香　10S2 - 1　タスン・エジェム● (一本)
3位決定戦　●半谷静香　0 - 1S1　ユリア・イバニツカ○ (技あり)

女子52kg級
準々決勝　○藤原由衣　10S2 - 0S3　サファロワ・バスティ● 延長勝 (一本)
準決勝　●藤原由衣　0S1 - 10　アブドゥルラウイ・シェリン○ (一本)
3位決定戦　●藤原由衣　０ - 10　A. ステパニュク○ (一本)


【アーチェリー】
男子個人　W1　ランキングラウンド(四肢)
第9位　大山晃司　624点

女子個人　W1　ランキンググラウンド(四肢)
第9位　岡崎愛子　576点

女子個人リカーブ　オープン　ランキングラウンド
第8位　重定知佳　584点

女子個人コンパウンド　オープン　ランキングラウンド
第22位　永野美穂　647点

混合団体 W1(四肢)　ランキングラウンド　(岡崎愛子、大山晃司)
第4位　日本　1200点

男子個人コンパウンド　オープン　ランキングラウンド
第17位　宮本リオン　683点

男子個人リカーブ　オープン　ランキングラウンド
第11位　上山友裕　609点

混合団体リカーブ　オープン　ランキングラウンド
第6位　重定知佳　上山友裕　1193点

混合団体コンパウンド　オープン　ランキングラウンド
第10位　永野美穂　宮本リオン　1330点


【ボート】
女子シングルスカル　予選
第6位　市川友美　13分50秒29　(敗者復活戦)

混合舵手つきフォア　予選　
(八尾陽夏、木村由、西岡利拡、有安諒平、立田寛之)
第6位　8分14秒9　(敗者復活戦)


【馬術】
個人グレード3
15位　稲葉将　67.529点


【車いすテニス】
男子シングルス　1回戦
○眞田 卓　2 – 0　アンカー・カルロス●

男子シングルス　1回戦
○荒井大輔　2 - 0　ガイ・サッソン●

男子シングルス　1回戦
○三木拓也　2 - 0　エンリケ・シスカル メセゲル●

クアードダブルス　1回戦
○諸石光照/菅野浩二　2 – 0　ヨシ・サアドン/シュラガ・バインバーグ●


【パワーリフティング】
男子59キロ級
第10位　光瀬 智洋　145kg


【シッティングバレーボール】
女子　予選リーグ　グループA
●日本　0 − 3　イタリア○

男子　予選リーグ　グループA
●日本　0 − 3　ROC○


【車いすバスケットボール】　　
女子車いすバスケットボール 予選リーグ　グループA
●日本　35 - 61 カナダ○

男子車いすバスケットボール 予選リーグ　グループA
●日本　59 - 52 韓国○


【車いすラグビー】
予選リーグ　グループA　
○日本　57 - 53　オーストラリア●