Glitters 障害者スポーツ専門ニュースメディア
2022年8月24日

東京2020パラリンピック1周年記念イベント車いすバスケットボール国際エキジビションマッチ

女子日本代表 スペインに敗れるも「自分たちのバスケを出し切った」

チーム最多の16得点を記録したキャプテンの北田千尋 | 女子日本代表 スペインに敗れるも「自分たちのバスケを出し切った」|東京2020パラリンピック1周年記念イベント車いすバスケットボール国際エキジビションマッチ | Glitters 障害者スポーツ専門ニュースメディア

チーム最多の16得点を記録したキャプテンの北田千尋

8月24日、「東京2020パラリンピック1周年記念イベント」として、車いすバスケットボールの国際エキシビションマッチが有明アリーナで開催され、第一部では、東京2020大会で6位の成績を収めた車いすバスケットボール女子日本代表が、スペイン代表との試合に臨んだ。

夏休みとあって会場には親子連れの観客が数多く訪れ、選手たちがコートに登場すると大きな拍手が送られた。強豪ひしめくヨーロッパ勢の中でしのぎを削り、今年11月に行われる世界選手権の出場権を獲得しているスペインは、フィジカルの強さを活かしたパワフルなバスケットを展開する。「走るバスケ」を誇る日本は、ディフェンスからの速いトランジションで一気にボールを運ぶと、網本麻里がレイアップを決め勢いに乗る。プレッシャーを与えるアグレッシブなディフェンスが光り、第1クォーターでは11-10と互角の戦いを見せた。

第2クォーター、日本は開始から3分以上得点を奪えない苦しい時間帯が続くが、タイムアウト後にコートに送り出された江口侑里のプレーが存在感を放つ。左半身まひにより腕から手にかけて装具をつけてプレーする江口は、いち早くゴール下にポジションをとると、ワンハンドでシュートを押し込む。東京パラリンピック後に日本代表候補として選出され、代表歴はわずか半年ながら、海外勢のハイポインターにも引けを取らない高さに、「(ゴール下に入れば)マッチアップの高さで世界と勝負ができる」と岩野博ヘッドコーチ(HC)も期待を寄せる。

また、同じく新戦力として注目される石川優衣も、一番障がいの重いローポインターながら、持ち前の負けん気の強さを発揮し果敢にゴールを狙う。しかし終盤に連続得点を許し、22-32のビハインドで試合を折り返した。
高さを生かして果敢にゴールを狙う江口侑理 | 女子日本代表 スペインに敗れるも「自分たちのバスケを出し切った」|東京2020パラリンピック1周年記念イベント車いすバスケットボール国際エキジビションマッチ | Glitters 障害者スポーツ専門ニュースメディア

高さを生かして果敢にゴールを狙う江口侑理

勝負の後半、日本はシュートチャンスに何度も持ち込むも決定力の精度に欠け、なかなかペースを作ることができない。それでも、強化してきたオールコートディフェンスをチーム一丸となって表現する。一方のスペインは、東京パラリンピック代表メンバーのVicky Vilarinoを中心に得点を挙げリードを広げ、32-48で最終クォーターを迎えた。

「自分たちのバスケスタイル」を40分間貫き通すという意地と意志を見せ続ける日本。キャプテンの北田千尋は、試合終了のブザーが鳴る瞬間まで全力でコートを駆け抜けシュートを打ち、チーム最多の16得点をマークした。試合は47-60で終了。転んでも立ち上がり、車いすをこぐ手を止めない選手たちの迫力あふれるプレーに、目をキラキラ輝かせながら応援した4000名を超える観客からは惜しみない拍手が送られ、試合を終えた選手たちの顔には笑顔があふれた。

「1年越しに見たかった光景の中でプレーができて気持ち良かった」と北田。「未完成な部分はあるが、自分たちが取り組んできたバスケを出し切った。この経験を力にして、成長したと思ってもらえるようなチームになる」と、清々しく意気込みを語った。

11月には世界選手権に出場する女子日本代表。「目標はメダル獲得、最低でもベスト4」と岩野HC。ベテランと若手が融合し、自分たちの目指すスタイルをブラッシュアップさせ、世界の舞台に挑む。

【試合結果】
日本 47-60 スペイン

(文・張理恵)

【車いすバスケットボール】
 一般のバスケットボールとほぼ同じルールで行われる。ただし「ダブルドリブル」はなく、2プッシュ(車いすを漕ぐこと)につき1回ドリブルをすればOK。
選手には障がいの程度に応じて持ち点があり、障がいが重い方から1.0~4.5までの8クラスに分けられている。コート上の5人の持ち点の合計は14点以内に編成しなければならない。主に1.0、1.5、2.0の選手を「ローポインター」、2.5、3.0、3.5を「ミドルポインター」、4.0、4.5を「ハイポインター」と呼ぶ。
コートの広さやゴールの高さ、3Pやフリースローの距離は一般のバスケと同じ。障がいが軽いハイポインターでも車いすのシートから臀部を離すことは許されず、座ったままの状態で一般のバスケと同じ高さ・距離でシュートを決めるのは至難の業だ。また、車いすを漕ぎながら、ドリブルをすることも容易ではなく、選手たちは日々のトレーニングによって高度な技術を習得している。
ジャンプはないが、ハイポインターが車いすの片輪を上げて高さを出す「ティルティング」という技がある。ゴール下の激しい攻防戦の中、ティルティングでシュートをねじ込むシーンは車いすバスケならではの見どころの一つだ。
女子日本代表 スペインに敗れるも「自分たちのバスケを出し切った」|東京2020パラリンピック1周年記念イベント車いすバスケットボール国際エキジビションマッチ | Glitters 障害者スポーツ専門ニュースメディア
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