Glitters 障害者スポーツ専門ニュースメディア
2025年5月5日

第22回日本デフ陸上競技選手権大会【1日目】

デフリンピックへのラストチャンス!デフ連覇を狙う佐々木琢磨は大会5連覇!

100m決勝で力走する佐々木琢磨 | デフリンピックへのラストチャンス!デフ連覇を狙う佐々木琢磨は大会5連覇!|第22回日本デフ陸上競技選手権大会【1日目】 | Glitters 障害者スポーツ専門ニュースメディア

100m決勝で力走する佐々木琢磨


5月5日、熊谷総合スポーツ文化公園陸上競技場で「第22回日本デフ陸上競技選手権大会」が開幕した。今大会は今年11月に開催される「東京2025デフリンピック」の最終選考会を兼ねており、日本のトップ選手たちが出場している。大会初日から、熱い代表争いが繰り広げられた。

男子400m山本は前回大会のリベンジ!男子ハンマー投げ・遠山は2人の金メダリストに圧勝!


金メダリストの貫禄を見せたのは、男子100m日本記録保持者の佐々木琢磨だ。午前の予選を11秒06でトップ通過すると、午後に行われた決勝ではただ一人10秒台をマーク。23年に自身がマークした日本記録10秒59には届かなかったが、向かい風1.6mのなか10秒87の好記録で大会5連覇を達成した。佐々木はすでに昨年11月の日本選手権で、過去のデフリンピック3大会優勝の平均記録であるターゲットランク記録(10秒79)を上回る10秒73で優勝しており、4大会連続となるデフリンピック出場は間違いない。前回のカシアス・ド・スル2022デフリンピックで悲願の金メダルに輝いた佐々木。2連覇に向けて視界は良好だ。国内初のデフリンピックでの目標は、世界新での金メダル。「(本番まで)あと半年もある。世界新を出すために課題を一つ一つ解決していきたい」と意気込みを語った。

男子400mで大会新記録を更新した山本剛士 | デフリンピックへのラストチャンス!デフ連覇を狙う佐々木琢磨は大会5連覇!|第22回日本デフ陸上競技選手権大会【1日目】 | Glitters 障害者スポーツ専門ニュースメディア

男子400mで大会新記録を更新した山本剛士


男子400mでは、山本剛士が48秒16の大会新記録で優勝。昨年の日本選手権では予選はトップ通過したものの、決勝では足達祥史にわずか0.39秒差で惜敗し、悔しさを味わった。しかし、この日は予選、決勝いずれも足達に勝ち、特に決勝ではライバルを1秒以上離して優勝。3週間連続でのレースという過密スケジュールのなかでのシーズンベストは、大きな自信となった。しかし、決して満足はしていない。「今のままでは世界では決勝で戦うことはできない」と山本。ここから技術もメンタルも、さらに磨いていくつもりだ。

男子ハンマー投げで弱冠21歳で優勝した遠山莉生 | デフリンピックへのラストチャンス!デフ連覇を狙う佐々木琢磨は大会5連覇!|第22回日本デフ陸上競技選手権大会【1日目】 | Glitters 障害者スポーツ専門ニュースメディア

男子ハンマー投げで弱冠21歳で優勝した遠山莉生


また、男子ハンマー投げで石田考正、森本真敏と2人のデフリンピック金メダリストを破って優勝したのが、筑波大学4年の遠山莉生だ。石田、森本ともに1回目をファウルとしたなか、遠山は52m07とまずまずの好スタートを切った。さらに2回目は54m81、3回目は57m54と記録を伸ばして好調ぶりを見せると、最後の6回目にはこの日最長距離となる57m61で締めくくり、優勝。初出場となるデフリンピックに大きく近づいた。しかし、本来の実力はまだ試合で出せていないという。2日前の練習では61mを記録しており、この日も目標にしていたが、60m台にのせることさえかなわなかった。一番の課題は「力まずにいかに脱力できるか」だと言い、そのためにも軸がぶれないフィジカルの強さを求めていく。

他の選手を寄せ付けないスピードで10000mを走り抜けた青山拓朗 | デフリンピックへのラストチャンス!デフ連覇を狙う佐々木琢磨は大会5連覇!|第22回日本デフ陸上競技選手権大会【1日目】 | Glitters 障害者スポーツ専門ニュースメディア

他の選手を寄せ付けないスピードで10000mを走り抜けた青山拓朗


圧倒的な強さを見せたのは、男子10000mの日本記録保持者・青山拓朗だ。2位に2分以上の差をつけてゴールした。本命のフルマラソンでは、今年3月の東京マラソンで優勝し、デフリンピックへの出場はほぼ確定している。今後は夏場に練習量を増やしたり、マラソンやハーフマラソンのレースに出場し、本番に向けて強化を図っていくつもりだ。城西大駅伝部OBでもある青山は、先輩でリオデジャネイロ五輪代表の村山紘太氏と食事に行った際にいろいろとアドバイスをしてもらったという。なかでも一番に言われたのは練習での追い込み方。「ラスト一本では一番に追い込んでいたと聞きました。自分もその話を参考にして、今はおさえるところはおさえて、逆に追い込むところは追い込むというふうにメリハリをつけた練習をしています」。その青山が目指すのは男子マラソンでの日本人金メダル第一号の座だ。「自分がフルマラソンに挑戦しようと思った一番の理由は、オリンピックでもパラリンピックでも男子マラソンではまだ(日本人の)金メダリストはいないと聞いて、自分が最初の日本人金メダリストになりたいと思ったからなんです」と青山。その目標を台東区出身である青山にとってまさに地元である東京で初開催となるデフリンピックで達成するため、これから半年間、トレーニングに励むつもりだ。

男子1500mは先頭争いが熾烈に。最後まで気が抜けないレースに | デフリンピックへのラストチャンス!デフ連覇を狙う佐々木琢磨は大会5連覇!|第22回日本デフ陸上競技選手権大会【1日目】 | Glitters 障害者スポーツ専門ニュースメディア

男子1500mは先頭争いが熾烈に。最後まで気が抜けないレースに


そのほか、昨年台湾で行われた世界選手権では男子1500mで銅メダルを獲得した樋口光盛は、齋藤丞とのデッドヒートに「5000mがメインの齋藤選手に負けるわけにはいかなかった」と意地を見せ、最後までトップの座を明け渡さずに優勝。自身がメインとし、昨年の世界選手権で銀メダルを獲得した明日の800mにつなげるレースを見せた。また、女子1500mでは日本記録保持者の岡田海緒が圧倒的な強さを見せて優勝。スタートから独走態勢となり、暑い時間帯でのレースだったことも影響して狙っていた記録は出なかったが、冬場に長距離の練習を重ねてきたことが実を結び、「スタミナには自信がついた」と岡田。800m、1500mでの自己ベスト更新に向けて、この日は400mにも出場するなどパフォーマンス向上に貪欲な姿勢を見せた。

(文・斎藤 寿子/写真・湯谷 夏子)

デフリンピックへのラストチャンス!デフ連覇を狙う佐々木琢磨は大会5連覇!|第22回日本デフ陸上競技選手権大会【1日目】 | Glitters 障害者スポーツ専門ニュースメディア
デフリンピックへのラストチャンス!デフ連覇を狙う佐々木琢磨は大会5連覇!|第22回日本デフ陸上競技選手権大会【1日目】 | Glitters 障害者スポーツ専門ニュースメディア
デフリンピックへのラストチャンス!デフ連覇を狙う佐々木琢磨は大会5連覇!|第22回日本デフ陸上競技選手権大会【1日目】 | Glitters 障害者スポーツ専門ニュースメディア
デフリンピックへのラストチャンス!デフ連覇を狙う佐々木琢磨は大会5連覇!|第22回日本デフ陸上競技選手権大会【1日目】 | Glitters 障害者スポーツ専門ニュースメディア
デフリンピックへのラストチャンス!デフ連覇を狙う佐々木琢磨は大会5連覇!|第22回日本デフ陸上競技選手権大会【1日目】 | Glitters 障害者スポーツ専門ニュースメディア
デフリンピックへのラストチャンス!デフ連覇を狙う佐々木琢磨は大会5連覇!|第22回日本デフ陸上競技選手権大会【1日目】 | Glitters 障害者スポーツ専門ニュースメディア
デフリンピックへのラストチャンス!デフ連覇を狙う佐々木琢磨は大会5連覇!|第22回日本デフ陸上競技選手権大会【1日目】 | Glitters 障害者スポーツ専門ニュースメディア
デフリンピックへのラストチャンス!デフ連覇を狙う佐々木琢磨は大会5連覇!|第22回日本デフ陸上競技選手権大会【1日目】 | Glitters 障害者スポーツ専門ニュースメディア
デフリンピックへのラストチャンス!デフ連覇を狙う佐々木琢磨は大会5連覇!|第22回日本デフ陸上競技選手権大会【1日目】 | Glitters 障害者スポーツ専門ニュースメディア

関連記事

最新記事