2021神戸女子車いすバスケットボール大会

車いすバスケットボール女子、再始動！ 東京パラリンピック後、初の公式試合

11月27日、「2021神戸女子車いすバスケットボール大会」がグリーンアリーナ神戸(兵庫県神戸市)で開幕した。
本来、「皇后杯 第31回日本女子車いすバスケットボール選手権大会」として各地方のチーム同士が対戦するはずだったが、コロナ禍で思うように練習ができていないチームもあることを考慮し、皇后杯は中止に。代替試合として今大会が行われ、全国の選手が「Peaches」「Melons」「Lemons」の3チームに分かれて戦う形式となった。
　代替試合かつ無観客での開催とはなったが、本大会が東京パラリンピック後、日本車いすバスケットボール女子にとっては初の公式試合となる。
　大会初日となる今日は、各チームが総当たりで計3試合を行った。東京パラリンピック代表選手、ベテラン選手、そして若手選手も数多くエントリーし、しのぎを削った。

　
　最も白熱したのは第3試合、「Peaches」と「Lemons」のゲーム。序盤から両者譲らぬ展開が続き、32-30でLemonsがリードする形で後半がスタートする。
　Lemonsは、チームキャプテンの土田真由美(SCRATCH)が持ち前のスピードとパワーを活かしたプレーで存在感を見せつけ、第3ピリオドで9得点を記録。
　対するPeachesは、碓井琴音(SCRATCH)がゴール下の高さを活かしたプレーで活躍を見せる。そして1.0点の財満いずみ(SCRATCH)がハイポインターからパスを受け、ゴール下の難しい角度のショットを連発。
　粘り強い攻めの姿勢を見せたPeachesが追い上げ逆転する流れで、第3ピリオドが終了した。

　
　続く第4ピリオドは48-50で、Peachesがリードする形でスタート。
　しかし、ここからLemonsの平井美喜(九州ドルフィン)が、チームを勢いづかせる。東京パラリンピック代表としても活躍した平井。ベテランらしい落ち着いたプレーを見せ、このピリオドだけで10点を決めた。

　一方のPeachesも、北田千尋(カクテル)を筆頭に声を掛け合いながら積極的にゴールに向かい続けるも、大事な場面でミスが出てボールを失う。結果、65-62でLemonsが勝利。この日はLemonsが2戦全勝する形となった。

　大会2日目の明日11月28日は、各チームの総当たり戦の後に、女子強化指定選手による紅白戦も行われる。


■1日目試合結果一覧

Peaches ○41-40● Melons
Lemons ○64-43● Melons
Lemons ○65-62● Peaches

■選手一覧

〈Peaches〉
1 只信 実鈴 4.5(健常)
2 高田 沙織 4.5(健常)
3 笹崎 莉愛 4.5(健常)
4 北田 千尋 4.5
5 碓井 琴音 4.5
6 池田 梨乃 3.0
7 柳本 あまね 2.5
8 安尾 笑 2.0
9 立岡 ほたる 2.0
10 古矢 千尋 1.5
11 財満 いずみ 1.0
12 田名部 寛乃 1.0

〈Melons〉
1 崎山 花奈 4.5(健常)
2 米衛 晴香 4.5(健常)
3 志田 和夏 4.5(健常)
4 網本 麻里 4.5
5 畠山 萌 4.0
6 清水 千浪 3.0
7 江口 侑里 2.5
8 小島 瑠莉 2.0
9 西村 葵 2.0
10 原市 紘奈 2.0
11 萩野 真世 1.5
12 柏田 稟珠 1.0

〈Lemons〉
1 渡 瑞希 4.5(健常)
2 百合山 沙織 4.5(健常)
3 福澤 早紀 4.5(健常)
4 西田 比呂華 4.5(健常)
5 吉川 美保 4.5
6 土田 真由美 4.0
7 添田 智恵 3.5
8 平井 美喜 2.5
9大森 亜紀子 2.0
10 前川 智子 1.5
11 北間 優衣 1.0

（文／撮影・湯谷夏子）