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2019年9月8日

2019 IWRF 車いすラグビーアジア・オセアニア選手権大会

“44分"の死闘を制した日本が全勝で決勝進出!

豪州のエース、ライリー・バットとデットヒートを繰り広げた池崎大輔


韓国・江陵アリーナで開催されている「2019 IWRF 車いすラグビーアジア・オセアニア選手権大会」。
大会3日目の8日、日本は最大のライバルである世界ランキング1位・オーストラリアとの大一番に臨んだ。

ティップオフの前から激しいポジション取りを始める両チーム。池崎大輔の先制トライで試合が始まると、息をつく暇も与えないほどのデッドヒートが繰り広げられる。日本のスピードスター・池崎がトライを奪えば、今度は、世界ナンバーワンとも称されるオーストラリアのライリー・バットが縦横無尽にコートを駆け抜け点を奪い返す。一進一退の攻防が続き、12-12で第2ピリオドへ。

日本のしぶといマークを受け続けるライリーがヒートアップする場面も見られるほど、両チーム共に、この一戦にかける思いは大きい。オーストラリアのわずかなリードで試合が進むなか、冷静にタイムコントロールを行う日本。前半終了間際、キーエリアで池崎が作ったスペースに飛び込んだローポインターの岸光太郎がトライを奪い、25-26の1点ビハインドで折り返した。

第3ピリオド、コートに立つ4人のみならず、ベンチから仲間を鼓舞しながらアドバイスを送り続け全員で戦う日本。クラス1.5の乗松聖矢が相手のハイポインターを止める好セーブを見せるなど一人一人が自分に与えられた役割をしっかりこなしていく。

36-36で迎えた第4ピリオド。1つのターンオーバーが致命的となる気の抜けない状況が続く。島川がライリーをコートアウトさせターンオーバーを奪い1歩リードするが、数分後に再びターンオーバーを許し、日本が1点を追いかける展開に。残り時間5.5秒、乗松(聖)からのボールを受け取った池崎がゴールめがけて突進。トライが認められ49-49となり、今大会初の延長戦へと突入した。

3分間の延長戦。ティップオフを制したオーストラリアが先に点を獲ると、そこに日本もくらいつき、再び激しい攻防戦となる。残り1分を切ったところでターンオーバーしたオーストラリアが、このまま逃げ切るかと思いきや、日本が相手のパスミスに反応してチャンスを奪い取り、2連続ポイントを挙げ55-55。勝負は2回目の延長戦へと持ち越された。

延長戦2回目、またしても先に点を奪ったのはオーストラリア。日本は追う展開となるが、タイムアウトを有効的に使いボールをキープして59-59。相手のインバウンドを奪った日本がゴールへと飛び込んだが、ノートライとなり、3回目の延長戦へと突入した。

一つのミス、一瞬の油断も許されない緊迫した状況が続く。会場もこの試合をどちらが制するのか固唾をのんで見守る。
3回目の延長ともあって、選手たちの体力とメンタルは限界に近づく。それでも、集中力を保ちながら耐え抜いていく。しかし、またしても63-63と決着がつかないまま、予想すらしていなかった4回目の延長戦へと突入した。

試合が動き出した50秒後、池透暢がライリーの激しいタックルを受け吹き飛ばされて転倒する。緊張が走る日本ベンチ。池を休ませ島川を送り込んだ日本は、高い集中力を保ったまま、トークをしながら連携の確認をとる。疲労がピークを迎えたライリーのパスを島川がキャッチしてターンオーバーを奪うと、日本が怒涛の大反撃を見せる。最後はオーストラリアが苦し紛れに放ったパスを池崎が抑え、4回目の延長戦を制した日本が70-65で勝ち、4戦全勝で決勝へと駒を進めた。

“44分間"を戦い抜いたTEAM JAPAN。疲労の中にも、やりきった充実感をのぞかせた。
両者の対戦としては「過去最長」となったゲームを勝ち切った日本。
キャプテンの池は、「最後まであきらめずに、日本のディフェンスをアグレッシブにやり続けたことが一番の勝因。コートの外いるベンチプレーヤーたちもアドバイスをずっと送ってくれていた。明日の決勝でも全てのプレーを相手よりも速くアグレッシブにやり続け、“12人全員"で戦い抜くという試合をしたい」と意気込みを語った。

大会最終日となる9日、日本は決勝戦で再び、オーストラリアと対戦する。

(文・張 理恵、撮影・峯 瑞恵)
 

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