8月27日、28日「第25回日本デフゴルフ選手権大会」が鳥取県の旭国際浜村温泉ゴルフ倶楽部にて開催された。本大会は一般男子、シニア、女子の3つの部門に分かれて行われ、総勢32名が参加した。
デフゴルフは健聴者のゴルフとほとんど同じルールで行われるが、障害の程度が試合内容に影響しないように競技中は補聴器の使用が禁じられているため、口話でのコミュニーケーションが不可となる。そのため選手同士は手話などでコミュニケーションをとりながら円滑にゲームを進めていく。
大会1日目、晴天ではあったものの風が強く難しいコンディションの中だったが、岩崎善徳がトータル2オーバーの「74」で単独トップに浮上。昨年度の第24回日本デフゴルフ選手権のチャンピオンがその強さを発揮。一打差で2位につけたのは、昨年岩崎に敗れ優勝を逃した前島博之。大会初日からライバル同士の熱い戦いが繰り広げられた。
トップと同スコアながら惜しくも準優勝となった岩崎善徳
大会2日目、前日首位の岩崎はトータル2オーバーの「74」でフィニッシュ。あとを追う前島は序盤から安定したショットを見せトータル1オーバーの「73」。2日間の合計スコアが4オーバーで並ぶがマッチングスコアカード方式により、前島が逆転優勝を果たした。大会後、「昨年のリベンジをすることが出来てとても嬉しい。10月に世界選手権があるので、練習に励みます」と笑顔を浮かべながら話した。一方、惜しくも連覇達成とはならなかった岩崎は「優勝争いの中、11番ホールでの右OBは痛恨のミス。ただ、ショットの調子は悪くなく組み立ては良かったので、このまま世界選手権に繋げていきたい」と自身のプレーを振り返った。
50歳以上のシニア部門では前島和雄が優勝。女子部門では植松典子が1位に輝いた。
大会を振り返り、日本デフゴルフ協会理事長の澤田謹吾さんは「レベルの高い大会になってきた」と話した。「デフゴルフがデフリンピック正式種目に決まったことで、協会として強化指定選手の育成に力を入れるようになった」とも話した澤田理事長。「これからももっとろう選手の開拓に力を入れ、選手を育てていきたい」と真剣な眼差しを見せた。
【受賞者一覧】
・一般男子
1位:前島博之
2位:岩崎善徳
3位:渕暢之
・シニア
1位:前島和雄
2位:植松義晴
・女子
1位:植松典子
(文/撮影・湯谷夏子、中島功仁郎)